日本の家づくりは今やハウスメーカーを中心とした家づくりであり、“商品”としての家づくりとなっています。大方の工務店はそうしたハウスメーカーの下請けとして日銭を稼ぎ、建築設計事務所もそのほとんどが大手の建築設計事務所やゼネコン、ハウスメーカー、工務店の下請けとして日々の糧を得ているというのが現実で、小さな建築設計事務所が直接、お客様から住宅一軒を任される機会などそうそうあるものではありません。
たとえ、頼まれても木造の設計はおろか、木のことなど何も知りませんから、細かなことは大工さん任せ。ほんのわずかな建築設計事務所が雑誌等で素敵なデザインを売っていますが、住宅の質としての中身は、もはや大手のハウスメーカーの仕様と比べてもまるでチープなものでしかないのです。これでは建築設計事務所の存在意義をいくら力説しても何の意味もありません。
私達、木の家建築家ネットは木を愛し、木の家にこだわる建築家の集まりです。私達のビジョンはあなたにとってはまだ荒唐無稽な絵空事のように写るかもしれませんが、私達はほんの小さな木の家を一軒建てるためにどれほど多くのことを考えなければならないか、果てしない議論を重ねながらこの6つのコンセプトをまとめました。
木---家---社会---国---地球。木の家を設計するために、私達はまず“木”そのものを学ばなければなりません。しかし、木は自然であっても、また家は個人のものであっても、それを社会と切り離して考えることはできません。一軒の家にも国の施策が大きく絡んでいますし、“家”は地球の上に建っているのです。
私達はこれからの『日本の家』をリードする木の家づくりを行います。そのために私達はあなたに知ってもらいたいのです。家は消耗品ではないということ、家は商品ではないということ、家には価値があるということ、そして家には資産価値以上の価値があるということ、家は個人のものであって社会のものであるということ、家は育てるものだということ、家はあなたの一生以上に長生きであるということ、そして、家はあなた自身であるということを・・・。
私達が単に木の家を一軒建てることは、社会にとってはそれほど大きな意味はないかもしれません。しかし、私達があなたの次の世代、そしてそのまた次の世代も暮らしていける家を建てることには意味があります。私達、木の家建築家ネットの活動の場はまだまだ小さく、大手の住宅デベロッパーのように一気に街を作ってしまうような力はありません。そして、私達の行為は、地図の上に小さな点を打つほどのものでしかないのかもしれません。しかし、それは美しい花を咲かせる“種”でありたいと考えています。種はやがて美しく花を咲かせ、その種を周囲に広げていきます。街はそうして歴史を重ね美しくなっていくのです。私達の活動はその土地に新たな、しかし確実にあるべき風景を作り出すための“種まき”です。そして、その風景を育てるのはあなた自身なのです。 |