一般に、木の家を扱う者なら誰しも「木はその乾燥具合によって強度が違う。」ということを知っており、木造住宅には“乾燥材”を使用しなければならないと認識しているのですが、実はここには大きな盲点があるのです。
それは、構造材として用いられる無垢材の強度、耐久性に極めて大きな影響を与える無垢材中に含まれている水分量を正確に測定できる“水分計”がないということです。
平成18年4月1日現在、(財)日本住宅・木材技術センターで認定されている針葉樹製材に用いる水分計には7機種あり、製造段階及び現場で利用されていますが、使用される無垢材に含まれている水分量を正確に測定することができません。
しかし、(財)日本住宅・木材技術センター及び水分計製造業者の説明不足により、建築士や工務店のほとんどがそのことを知らず、表示された数値を単純に信用しているのです。
電極を押し当てた周辺及び表層から深さ2〜3cm(機種によって異なります。)までの測定しかできなかったり、表層から中心部までの平均値を表示し、柱や梁など大きな材料を測定した場合、中心部にどれだけ多くの水分を残しているのかを見抜くことができないのです。
無垢材に含まれる水分量は日々変化しています。特に、表層部分は日々の湿度に影響を受け、含水率は大きく変化します。また同じ樹種であっても、一本一本密度が異なるために、その密度の違いによって測定値がバラついたり、材温【材そのものの温度】によっても影響を受けてしまいます。
さらに、木取り【丸太などの用材を挽いて用途に応じた形状に加工すること。例:板目や柾目】や節周辺部分の測定か否か、表面処理の仕方【測定面の性状】等によっても測定値にバラつきが出てしまうのです。尚、密度や温度、測定深度等、補正機能は付いていますが、あくまで簡易的な補正に過ぎません。
無垢材の性質や木材乾燥に関する十分な知識を身に付けることができない国の教育カリキュラムに加え、強度や耐久性に大きな影響を与える無垢材中に含まれる水分量を正確に把握することができないことで、多くの建築士や施工者は品質の良し悪しがわからないために、使用する無垢材を価格最優先で選んでしまっているのです。
しかし、これだけでは終わりません!まだまだ続きます。 |